大学のレポート・小論文の書き方
文系向け
【例文・見本あり】
この記事では
①レポートを書くポイント
②文系用
③A4用紙・1枚の小論文
④例文6つ
③スマホでも書ける方法
を紹介しています!
感染症の影響で、大学への登校日が少なくなり“オンライン授業”が増えています。
通常よりも授業を受けた後に「レポートを提出する」回数が増えた大学生も多いんじゃないでしょうか?
“文章作成は苦手”という方だと、大量のレポート提出に慣れるまではおっくうですよね。
そこで、大学のレポートの書き方の参考になるように、基本的な書き方のコツと、文系用のレポート例文をご紹介します。
大学のレポート・小論文の書き方
レポートといっても、それぞれの大学ごと、学部ごと、教授(先生)ごとに指示やテーマや書き方が違います。
今回ご紹介している例文は、こちらの条件に当てはまる場合に参考になります。
- どちらかというと文系
- Word(ワード)やメモ用紙などで提出
- A41枚程度のレポート
- テーマに沿った意見文・小論文
大学の「小論文」と「作文」の違い
大学では『小論文』の課題が出ます。
小学生・中学生の頃の『作文』とどう違うんでしょうか?
大学の『小論文』は、自分の意見や感想だけでなく、それを裏付ける根拠や理由を書いて、読み手を説得する文章にします。
難しそうですがこれをマスターすれば、論理的思考力も高められますよ!
文章構成の基本となる型(公式・テンプレート)がありますのでご紹介します。
文章の構成作りの型『PREP法』
文章構成の基本となる型(公式・テンプレート)で有名なのがPREP法 (プレップ法)です。
『PREP法』とは、この頭文字です。
P | 結論 | (Point) |
R | 理由 | (Reason) |
E | 具体例 | (Example) |
P | 再結論 | (Point) |
PREPが表す
- 結論
- 理由
- 具体例
- 再結論
の順番で書くという法則。
この型にすると、わかりやすくストレスを感じず読めて納得してもらえるような内容になります。
同じエピソードを説明した2人の話があります。どちらがわかりやすいですか?
Aさん「今日の朝寝坊してさ~。そして家を出たら忘れ物したことに気づいてまた家に戻って…。電車に乗り遅れちゃった。そして遅刻しちゃったんだよね~。」
Bさん「今朝遅刻したんだ。その理由は、朝寝坊して、さらに忘れ物もして電車に乗り遅れてしまったんだ。」
Bさんは先に結論を言って、その後にその理由を言っているので話の展開がみえるのでわかりやすいですよね。
小論文などのレポートではPREP法を使うことで、自分の考えをうまく表現でき、長文でも読み手にストレスなく伝わります。
- 【結論】では、自分の主張を書きます。「こう思う」「こう考えた」という事です。
- 【理由】では、その主張に至った理由を書きます。根拠となるデータを付けると説得力が出ます。
- 【具体例】では、自分が体験したエピソードや、主張に似たような事例を出してイメージしてもらいます。
- 【再結論】では、もう一度最初の結論(主張)を書き、まとめをします。
【参考】子どもから大人まで使える文章術の教材『らくらく文章術ドリル』
文法ミスや誤字脱字がないかチェック
文法の誤りや誤字脱字などもないように、書き終わったら自分で声に出して読み返すといいでしょう。
大学生の場合はある程度の文章力があるというベースで読まれるので、文章内容以前のミスは極力減らしたいところです。
【例文】大学のレポート・小論文の見本
小論文の書き方のポイントをつかんでもらうために具体的な例文としてこちらを参考にされてください。
*教育学部の大学生が書いた大学のレポートです。(800文字程度でWord提出)
*全文コピペで使うのはご遠慮ください。
テーマ『ゆとり教育について』
私はゆとり教育についての知識が豊富にないため、どのようなことが行われていたかあまり知らないが、知っていることの中に円周率を3.14ではなく3にしたということがある。今回はこれについて考えていく。結論から言って私は3でいいと思う。理由は、3.14にする利点がほとんどないからである。3ではなく3.14にした場合の利点は、計算力が少しつくことである。しかし、計算は算数、数学を学ぶにあたって何度も何度もしなければならないことであり、自然と計算力はついていくものである。それを円関連の問題で養う必要はない。円関連の問題では、円周率や半径などの、答えを求める上で必要な要素を正確に使って答えを導きだせるかが問われているのである。例えば「半径3cmの円の面積を求めなさい。」という問題で、円の面積の求め方を理解できている人なら、3秒で式がわかる。しかし、暗記していないかぎり3×3×3.14の計算に、計算が速い人でも5秒以上はかかってしまう。これがもし3.14ではなく3でいいなら2秒で計算できる。この問題では半径が小さいため数秒しか差がないが、この半径がもう少し大きい数字だったり、円柱の体積や球の体積の問題だと、この3.14を含んだ計算はさらに面倒なものになってしまう。実際、私自身小学生のとき、式はすぐに立てられるのに、そのあとの計算に無駄に時間がかかってしまい、億劫になっていた。そして中学生になると、その計算の邪魔者であった3.14をπにしていいというルールが与えられたため、3.14という数字は全く出てこなくなった。じゃあなぜ今まで3.14と書かせていたんだと私は思った。最初からπにしてくれれば計算の時間も少なくて済んだ。3だった場合に3.14と比べて少なく済んだ計算時間を、他の問題を解く時間にもあてられる。要するに3.14はただの時間の無駄である。そういう点では私はゆとり教育を肯定する。
*798文字
例文がPREP法になっているか確認
【P・結論】
私はゆとり教育についての知識が豊富にないため、どのようなことが行われていたかあまり知らないが、知っていることの中に円周率を3.14ではなく3にしたということがある。今回はこれについて考えていく。結論から言って私は3でいいと思う。
【R・理由】
理由は、3.14にする利点がほとんどないからである。3ではなく3.14にした場合の利点は、計算力が少しつくことである。しかし、計算は算数、数学を学ぶにあたって何度も何度もしなければならないことであり、自然と計算力はついていくものである。それを円関連の問題で養う必要はない。円関連の問題では、円周率や半径などの、答えを求める上で必要な要素を正確に使って答えを導きだせるかが問われているのである。
【E・具体例】
例えば「半径3cmの円の面積を求めなさい。」という問題で、円の面積の求め方を理解できている人なら、3秒で式がわかる。しかし、暗記していないかぎり3×3×3.14の計算に、計算が速い人でも5秒以上はかかってしまう。これがもし3.14ではなく3でいいなら2秒で計算できる。この問題では半径が小さいため数秒しか差がないが、この半径がもう少し大きい数字だったり、円柱の体積や球の体積の問題だと、この3.14を含んだ計算はさらに面倒なものになってしまう。実際、私自身小学生のとき、式はすぐに立てられるのに、そのあとの計算に無駄に時間がかかってしまい、億劫になっていた。そして中学生になると、その計算の邪魔者であった3.14をπにしていいというルールが与えられたため、3.14という数字は全く出てこなくなった。じゃあなぜ今まで3.14と書かせていたんだと私は思った。最初からπにしてくれれば計算の時間も少なくて済んだ。
【P・再結論】
3だった場合に3.14と比べて少なく済んだ計算時間を、他の問題を解く時間にもあてられる。要するに3.14はただの時間の無駄である。そういう点では私はゆとり教育を肯定する。
この例文は特にきれいなPREP法の型で書かれたレポートでしたね。
【接続詞を使う】
P:「私は~思う」
R:「理由は」
E:「例えば」
P:「だから」「つまり」
など、話の展開が変わる時にこれらの接続詞を使うと、読者にわかりやすく伝わりやすくなります。
テーマ『おちこぼれと学歴社会について』
「おちこぼれ」や「学歴社会」という言葉自体が、理科教育に問題があるかのように印象づけているだけで、日本の理科教育自体は間違いではないと考える。現に、科学技術の進歩は日本に多くのメリットをもたらしている。「おちこぼれ」や「学歴社会」という言葉のために、そんな日本の強みをなくしてしまう必要はない。「おちこぼれ」「学歴社会」という考えを、子どもたちにもたせないようにすべきだと思う。具体的にいうと、「おちこぼれ」については、人それぞれの進み方があるのだから人と比べる必要はないという意識をもってもらいたい。しかしこれはあくまでも小学生までの話である。中学生になると嫌でも順位付けされ、比べてしまう。これは競争社会に対応するための第一歩として重要だと思う。だが、小学生までは自分のペースでのびのびとしてほしい。小学生のころから、勉強ができないおちこぼれだ、と悩んでほしくない。そのためにも私たちが、勉強が苦手な子は気にかけ、集中的に教え、いつの間にかほかの子と差が開いていた、なんてことがないようにしたい。また、「学歴社会」については、私自身、高校生のころまでは学歴を重視していた。私は国立大学の受験に失敗し、本学にはあまり望まず入学した。しかし、熊本大学よりも教員採用試験の合格率が高いことや本学のカリキュラムから、偏差値が全てではないことを痛感させられた。今は、本学に入学してよかったと思っている。つまり、学歴がすべてではない。子どもたちにもこのことを知ってほしい。今は中学受験をする子が増えている。それが悪いことだとは言わないが、本当に自分がめざすところに向かうために、今進もうとしている道が正しいのか考えてほしい。進学校に行ったからといって国公立大学に受かるわけではない。国公立大学に行ったからといって教員採用試験に受かるわけではない。すべてはそこでの自分の努力次第だということを知ってほしい。
*798文字
テーマ『理科で顕微鏡を使うことの意義』
顕微鏡を使うことで、肉眼では見えないものを見ることができる。子どものころは、自分の知らない世界や今まで考えたこともなかったことを、知ったり発見するだけで興奮し、感動をおぼえる。私もそうだった。小学生のとき初めて顕微鏡で微生物を観察し、「こんな狭いところにさらに小さな生き物がたくさんいるなんて!」と感動した。自分の想像を超えた領域の世界を見ると、世界の広さを痛感する。それは、小さい場合とは反対の大きい世界でもそうだ。宇宙の果てがどこなのか、日本すら広いと思っていたのに地球の中では小さなもので、さらにその地球さえ、太陽系、銀河系の中では小さなもので、さらに他にも銀河はたくさんある、というふうに宇宙の広さを知ったとき、想像もできず気が遠のいた。しかしそれと同時に感動し、心に残るものがあった。微生物の観察も自分の知らない小さな小さな世界である。それは宇宙を考えるのと同様に、想像もできないぐらい小さな世界である。しかしそれを顕微鏡を使って見ることができるのである。実際に今そこにあることを感じることができるのである。宇宙は観察しようと思っても星空を見上げたり望遠鏡を使って、その一部を見ることしかできない。全体を見ることはできないし、その先に何があるのか詳しいこともわからない。だが、微生物は見ることができる。しかも鮮明に。これは、感受性豊かな、子どもたちにとっては大きく心を動かされることだと思う。自分の知らない世界がそこに広がっている。それを自分の目で見ることができる。それだけで子どもたちの心に残るものがあると思う。その、未知の世界を知る楽しさと感動を味わう体験として、顕微鏡での観察はあるのだと思う。さらに、その小さな世界を知ったことで自分の世界の視野は広まっていく。登下校中に見る河原や草花を見て、「あの場所に小さな世界があるんだ。」と思えるだけで、子どもたちの世界は大きくなっていく。
*799文字
テーマ『教育心理学・抑うつと成長ホルモン』
抑うつとは、失恋をしたときなどに見られる精神状態で、夜眠れなかったり、食欲がなかったりする。私は抑うつになったことがない。落ち込むことがあったりもするが、夜眠れなくなったり、食欲がなくなったりすることはないし、友達と喧嘩したり、嫌なことがあっても、基本その日のうちにどうでもよくなって、忘れてしまう。友達と喧嘩して意地を張り合っている状態は、バカバカしいと思えてしまう。だからといって私は自分から謝ることはあまりない。相手に謝ってほしいとも思っていない。お互いになかったことのようにいつも通りの関係になっているということが多い。だから、ずっと悩んでしまって抑うつになることがないのだ。この性格はとても楽ではあるが、真面目な人からしたら考えられないのだろう。
また、抑うつには母親が大きく関わってくるとわかった。母親の安定は子どもの安定である。私の母は心配性で、下手をすれば母自身が抑うつになる可能性もある。しかし、母は気が変わりやすいのでいつの間にかいつも通りになっている。母に心配事を話されても、そんなこと深く考えなくていいと私は言う。それは、私が楽観的すぎるのもあるかもしれない。というのも、私はお喋りでよく歌も歌うし、何かと騒々しい。心配事もなく楽しいことばかり考えて生きている私を見て、自分が悩んでいるのがバカバカしくなるのだと思う。そう思うと、家族の安定には私が必要なのかもしれない。
次に、成長ホルモンについて学んだ。私は保育園のころから身長が高いほうだった。それから小学校のころも毎日だいたい9時から6時半までは寝ていたと思う。今思うととても健康的だ。そして、朝ごはんを食べないということは絶対になかったため、小学校を卒業し、中学生になっても、身長は高いほうのままであった。今でも平均より高い。一方私の妹は、保育園のころはクラスで1番と言っていいほど、身長が高かった。しかし、末っ子ということもあってか、小学校のころから寝るのが遅かった。私たちが起きているため一緒に起きていて、寝るのが10時や11時のことが多く、私が小学生のころではありえない時間帯だった。そのせいで、今では平均ぐらいの身長になっている。やはり、成長ホルモンというのは大切で、早寝早起き朝ごはんというあのフレーズは、守るべきことだったと思う。とは言っても、女子としては身長は平均くらいでもよかった。
*988文字
テーマ『いろんな事に対する批判力について』
科学的、論理的な根拠に基づいた批判力は、今回の授業のように、何か動画を見たり、他者の行いを見て、それに意見しあうことで養われると思う。さらに、その工程で、批判、マイナスの意見を言うことが大事だと思う。何か事象を見て、それに対して感想を述べる機会は、小学校ではたくさんある。私も何度も書いてきた記憶がある。今でも多い。それがもし、外来から来てくださった音楽家の方だったり、演劇の方だったときに、その方に送る手紙で批判ばかり書いてしまうのは違う。それは、来てくださった感謝を伝えるものであり、相手も見るものなので、感謝を述べたうえで、良かったことを書くべきである。しかし、例えば芸術の授業で、音楽家や演劇の方などの動画を見るときは、プロだからと肯定文ばかり書くのではなく、ここは良くなかったという批判する文も書くべきである。そんなことを言っているが、実際私はそういう感想を書くときは肯定ばかりしてきた。プロだから間違っていることはない。すごい人として見せられているのだから私なんかが批判してはいけない。と思っていたからだ。しかし、そのプロの人たちですら間違っていることはある。そこをいかに見つけきれるかが重要である。しかし、これが過度になると、ただの粗探しになってしまう。小学校のころの鑑賞は、心揺さぶられながら、芸術を楽しむものである。粗探しをしながら鑑賞してはいけない。ふと、ここは違うんじゃないかと気づけるようになることが大事である。批判しすぎることは今SNSで問題になっている。あれは誹謗中傷であり、無条件に、ほとんど根拠もなく、直接顔を見せない形で批判している。それも不特定多数の人がだ。それは、批判力の向上にはならない。相手を傷つけてしまうだけである。相手が納得できるような批判をし、相手も自分もスキルアップできるような批判ができれば、それは批判力の向上につながると思う。
*790文字
テーマ『教育論・発達は遺伝と環境に起因するのか』
発達の要因について、遺伝説、環境説、成熟優位説がある。この遺伝か環境かという考えに終止符を打ったのが輻輳説と環境閾値説である。私は、発達については、シュテルンの輻輳説と同じ考えである。遺伝により、ある程度の発達は初めから決められており、それぞれの発達には限界があると思う。例えば、運動神経は子どもによってそれぞれで、小学校の50メートル走で速かった子たちが、毎日走り込んでいるわけではない。生まれ持った運動神経の良さで足の速さにそれぞれ差がつくと思う。しかし、環境の面で、足が遅い子が毎日走り込んで練習をし続ければだんだん足が速くなることはありえる。だから、生まれ持った素質でもともと速い子はいるが、その後の行いで速くなることも可能なのである。ここで、スポーツ選手について考える。プロのスポーツ選手で、世界で活躍できるほどの才能がある人は、この遺伝と環境の両方の発達によって成長したのだと思う。もちろん小さい頃からの日々の練習のおかげで成長し、プロになれるほどの実力になったのは間違いないのだが、遺伝の影響が少しもないとは思えない。生まれながらに運動神経がとても悪く、そのスポーツの才能がない人では、どんなに練習してもプロになるほどの実力にはなれないと思う。本当に努力して、県で1位、2位になるほどの実力にはなれても、世界で活躍できるほどのプロというのは、ほんのひと握りである。彼らは、遺伝的にも才能があり、その後の環境でも相当な努力をしたからこそ、そのひと握りに入れるのだと思う。そう思うと、プロになるというのは本当に大変ですごいことだと思う。これらをふまえて、私は、遺伝と環境の両方によって、発達は起こるのだと思う。
*710文字
レポートをパソコンとスマホで簡単に早く書く裏技
そんなあなたへ!
参考までに!
- スマホの文字数カウントツールでレポート文を書く。指定文字数になるまで全体を調整しながら書く。
- それをコピーしてLINEに貼り付ける
- パソコンのLINEで同じ画面を表示させ、文章をコピーする
- Wordを開き、コピーした文章を貼り付ける。
- それを大学へ送信する(印刷して渡す)
つまり、書き慣れたスマホでレポートを書き、パソコンとも連動しているツール(LINE・Evernote・チャット・Googleドライブ・メールなど)に貼り付けて、パソコンでWordにするというやり方です。
もちろん将来的にも、パソコンを使い慣れることが大事なので、できるだけパソコンで最初から書くのがおすすめです。
文章力スキルを身につける方法
実は、小学生や中学生の時に何度も書いてきた『作文』は、文章力の基礎トレーニングだったのです。
文章は一生書く機会が何度もあります。
文章によって仕事が上手くいったり、人間関係(コミュニケーション)がよくなったり…
文章力はいつからでも磨くことができます。
こちらの記事にまとめていますので、ぜひご覧ください!